料理長に質問をしてみました
- 料理の道を選んだ理由は何ですか?
- 答えはいたって単純で料理が好きだったからです。
京都に生まれ京都で育ったので京料理に対する思いは強く持っていますし私の誇りでもあります。
今は、自分がどうなろうとも、この京料理を、次世代に継承する一助になりたい気持ちでいっぱいです。 - 美味しい料理に対するこだわりが強い理由は何ですか?
- 美味しい料理は、人と人とのつながりにとても重要な「一体感」を生みだしてくれます。
老人ホームというのは、人生の山や谷を乗り越えた先輩たちが集まっている場所です。
恥ずかしながら私も若い頃は、自分本位で物事を考える時期がありましたが、人として大きく、温かい先輩達に出会う回数が増えた時期を境に、自分は何て浅はかな考えしか持っていなかったんだと反省するようになりました。
先人の知恵というか経験を目の当たりにするたびに、懐の深さや凄み、みたいなものを今でも感じますし、人生経験って、そう簡単には埋まらない不思議なものがありますよね。
今まで、色んな経験を乗り越えてこられた偉大な先輩たちを、記憶に残る味わい深い料理でおもてなししたいと考えるのは、きっと私だけではないはずです。
老人施設で、料理を通して一体感が生まれ、楽しく過ごしていただけたら、本当に嬉しいですよね。
- 料理人にとって最も大切なのは、技術力ですか?それとも知識力ですか?
- 料理は確かに、技術も知識も必要ですが、人のぬくもりや、温かさを感じて頂けるように、想いを込めて料理する気持ちが凄く大切なんです。
一流と呼ばれる人は、仕事道具を大切する人が多いと思います。
道具に対して「ありがとう」という気持ち込めてピカピカに磨いたりしますよね
そういった人の心を大切することが第一ではないでしょうか。
そんな気持ちで作った料理を召し上がっていただき、明日からまた元気に明るく頑張るぞって思っていただけたら最高じゃないですか。
だからこそ、四季の移り変わりを楽しめるよう、工夫を凝らして日々試作、試食を繰り返し、初心を忘れないよう立ち返っています。
- 料理の味付けで何かアドバイスしてほしいのですが?
- 何かの本で読んだのですが、ネズミを普通のエサで育てると、満腹になった時点で食べるのを止めるので、太らないそうです。
しかし砂糖や油を与えると食欲にブレーキがかからず、どんどん食べるのでネズミが太ってしまうそうです。
それは人も同じで、現代人は、上質な砂糖と油を手に入れた一方で、人の健康を脅かすまでになってしまいました。
確かに砂糖や油は美味しく、止まらなくなる気持ちはわかりますが、健康であってこそです。
なので、出汁のうま味に興味を持っていただき、健康的に食を楽しんでいただけたらと思います。
- これから料理の道を歩もうとしている後輩たちにメッセージをお願いします。
- 私の人生を振り返ってみて、人生無駄な経験はないと思っています。
一見すると無駄に見えるような経験が、数年後、その経験があったことで助かったり、人を助けたり出来ると思います。
見るもの聞くもの全てを師の教えと思って、一つ一つ吸収し技術と人格を備えた一流の料理人を目指してほしいと思います。
料理というのは、多くの方を笑顔にできる素晴らしい職業です。
焦らず慌てず、じっくりと頑張ってほしいと思います。
料理長へのご質問がございましたら、どんどんご連絡ください。
直接聞きずらい様な内容でも、私がズバッと聞いちゃいます。
お気軽にご連絡ください。